大判例

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東京高等裁判所 昭和54年(ラ)925号 決定

本件記録を検討すると、本件競売の目的物件(以下本件建物という。)は、原告藤田武、被告有限会社安部工業間の東金簡易裁判所昭和五三年(ハ)第一四号建物収去土地明渡請求事件において、本件債務者である被告が右原告から収去を求められている建物と同一であり、かつ、右事件につき昭和五三年一二月一八日言渡された右原告勝訴の判決は同五四年一月一〇日に確定したこと及び抗告人が原審において本件競落期日と同じ昭和五四年七月一六日に、本件建物が右確定判決によりいつ収去されるやも知れないことを理由に本件競買取消の申立てをなしたが、原審においては同競買取消の申立てに対する判断を示さないまま、右同日午前一〇時の競落期日に本件競落許可決定の言渡しをなしたことが認められる。

右競買取消の申立てがなされた時期については、右申立書の編綴箇所から推定して右競落許可決定の言渡前になされたものと認めることが相当である。しかして、このような場合には、天災その他の事変により目的物件が著しく毀損した場合に比して、競買人の利益の保護においてこれと区別する理由がないから、民事訴訟法第六七八条を準用すべきであると解するのが相当である。従って本件において競売裁判所は、抗告人がなした競買取消しの意思表示に基づき本件競落を許さないとの裁判をすべきものである<。以下略>

(杉田 長久保 加藤)

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